みなさんこんにちは、神戸の佐藤です。 Move&Flick、試してみました。かなり期待していました。 僕はローマ字キーボードでタッチ入力ですので、かな入力自体は馴染めませんが、 文字入力自体は簡単で、斬新な作りですね。 ただ、視覚障害者のiPhoneユーザーの声を聞いたとは思えない作りですね。 例えば指を上に滑らせて、離さずに今度は左へなど、iPhoneユーザーには馴染みのないジェスチャーです。 または行からわ行はダブルタップ&ホールドしてからの操作、濁点、半濁点、小さい「つ」など、 文字によってジェスチャーや指を滑らせる方向が異なるなど、 これなら標準キーボード上の文字配列を覚える方が楽です。 また変換も、いちいち右サイドエリアで操作が必要で、 確定にも2回指を動かす必要があるなど、決して使いやすいとは言えませんね。 カーソルモードというのには期待しました。 てっきり矢印キーなどで文字選択できるのかと思いましたが、 iOSで言うところの一文字確認でした。 ローマ字入力ならたった26個の文字位置を覚えればよく、 これは最初は手こずりましたが、慣れればなんてことはないです。 今更、特別標準キーボードに勝る機能がある訳でも無い、 Move&Flickに乗り換える視覚障害者がいるとは思えません。 良い点と言えば、全角の英数字が入力できる事ですかね。 iOS標準キーボードで、視覚障害者が一番不便に思っていることは、 文字の位置が分からないといった事では無く、 文字を簡単正確に範囲選択出来ないという点ではないでしょうか。 パソコンでSHIFTキープラス矢印キーで文字選択が出来るように、 文字を範囲選択出来る矢印キーなどの機能があれば大変助かります。 また藤川さんが書かれていたように、既に登録してあるユーザー辞書(変換用辞書)が 読み込めないのも不便です。また新規登録も出来ませんね。 これは可能かどうかわかりませんが、アンドロイド用の日本語入力アプリのドキュメントトーカー For ANDROIDでは、 単語の読みを登録出来ます。 この辞書を参照して読み上げるため、個人の名前や難しい読み方をする物でも読み間違いは少ないようです。 ボイスオーバーはまだまだ読み上げに関しては未熟で、スクリーンリーダーはいったんカタカナに変換し、それを読み上げさせると 聞いた事がありますが、iOSではいったんローマ字に変換して読ませているような気がします。 従って英単語混じりの文はゴニョゴニョ読みになり、未だに直りません。 もし、ドキュメントトーカーのように単語の読み方を僕達で登録出来れば、 ボイスオーバーの読み上げは飛躍的に良くなると思うのですが・・ 今後のバージョンアップで、こういった事が実装されれば、 少々入力方法が不便でも、それは練習すればよいだけなので、 充分乗り換える価値がある物になると思います。 色々書きましたが、キーボードアプリとしては珍しいボイスオーバー対応で、 そういう意味では画期的なアプリだと思います。 少なくとも、IME最大手のジャストシステム社の、 全くアクセシビリティに無関心なATOKアプリよりも断然優れています。 リリースされたばかりなので、完璧でないのは当然です。 いくらお願いしても聞き入れてくれない某社のアプリなどに負けないよう、頑張って欲しいです。 そういう意味を込めて辛口評価でした。