MLの皆さんこんばんは、日本障害者ソフトの谷口と申します。 いつも有意義な情報を有難うございます。 今回の投稿は、全盲でもアイホンアプリやパソコンソフトが作れる・・・視覚障碍者 の為の統合開発ソフト「ダビンチ」開発アナウンス。 テスターさん募集なんですが 、 下記をご一読頂き、興味のある方はお声をかけて頂きますと幸いです。 また下記の内容は長文ですので、興味のない方は読み飛ばして頂けますと幸いです。 === 「ダビンチ」開発アナウンス! 「ダビンチ」とは、視覚障害者対応のプログラム開発環境です。 ひらたく言うと、パソコンで使うソフトやアイホンなどスマートホンで使うアブリを 作成するためのソフトです。 日本障害者ソフトでは、シフト・ザ・フューチャーを目標に数年前から「ダビンチ」 の開発に取り組んでおります。 その開発の原点は、視覚障害者もこれからは本格的に使う立場から作る立場へシフト しなければいけないという思いからです。 現在、コンセプト版が出来つつあり、「ダビンチ」の開発に一緒に携わって頂ける方 を募集しています。 視覚障碍者の方(音声ユーザでPCトーカーなどお使いの方)で開発中の「ダビンチ 」を使い、テスターとして、改良点や希望機能や使用の要望を出して頂いたり、不具 合の報告などレポートして頂く方を募集しています。 募集視覚ですが、「ダビンチ」はPythonという言語を採用しています。 よって、Pythonの知識のある方となります。 中途障害で、以前にPythonを使っていた、学んでいたとか、視覚障害になってから独 学で勉強しているなど、そういう方がおられましたら 是非、お声をかけて頂けたら 幸いです。 また、下記は長文ですが、この内容を読まれた方(個人・法人・組織・団体・学校を 問いません)、「ダビンチ」に対しての思いや夢、希望や感想などお寄せ頂ければ幸 いです。 皆様の暖かいお声や思いが「ダビンチ」の開発に携わっているスタッフの活力となり ます。 === 私は、数年前にある視覚障害者を対象にした情報処理科の関係者の方とお話する機会 がありました。 そこでお聞きした事が、あまりにもショッキングなものだったのです。 情報処理科という事で、視覚障害者にプログラムを教え、卒業生はその関係のお仕事 についているという認識だったからです。 しかし実際はプログラムを学ぶ生徒はほとんどおらず、ワードやエクセルの勉強し、 卒業後は情報処理とは全く関係ない仕事についたり、専攻科に入学し直したりという ものでした。 これでは、情報処理科というよりパソコン教室ではないかと・・・ 理由はいくつかありますが、大きなものとしては視覚障害者、特に全盲者に対して適 切な教材がないというものです。 これでは視覚障害者プログラマーは育ちませんし、職域も広がりません。 結局、近年その盲学校の情報処理科はなくなりました。 もし、視覚障害者を対象にした情報処理を教えている現場に、全盲を含む視覚障害者 が音声ガイドとキー操作で全ての操作と確認が出来る、一般市場で通用する・必要と されるメジャーな言語でのプログラム開発環境があったならどうでしょうか。 プログラムに興味があり、自分で自分の使いやすいソフトを作ってみたいと思う視覚 障害者は、プログラムを学ぶ事が出来ます。 学んだ後は その分野への就職も可能かも知れません。 それは即ち、視覚障害者の職域拡大に貢献し、在宅や通勤を含めて仕事を得られる事 で社会参加や自立という事にも繋がります。 また、就職という事だけでなく、本業の合間に趣味でプログラムを勉強した人が、自 分の使いやすいソフトを作ったり、自分に使いやすいものは他の視覚障害者の人にも 便利なのではと考え、それをフリーで配布する人も出て来るかも知れません。 中にはシェアウェアにしてお小遣い稼ぎをする人も出て来るかも知れません。 また、視覚障害者を対象にしたパソコン教室はいくつかあるけど、プログラムを教え ている教室はなく、自分がやってみようと思う人も出て来るかも知れません。 また、自分で企業を起こし、製品を開発し販売する人も出て来るかも知れません。 会社が大きくなれば、視覚障害者対応ソフトは使う立場の視覚障害者が必要な機能や 操作性を考えて開発に当たるのが一番という事で、視覚障害者プログラマーを雇用す るなどあるかも知れません。 いずれにしても、視覚障害者がメジャーな言語でソフト開発出来る環境を整える事で 、アイホンのボイスオーバーやスクリーンリーダーや音声ブラウザに対応させた、音 声ガイドとキー操作で使いやすく便利なソフトやアプリが、フリーであれシェアウェ アであれ製品であれ増える事は間違いありませんし、開発されるソフトが多くなれば 価格競争も起きて、より質の良い物がより安くで手に入るという事にも繋がります。 エンドユーザーにとって、現在のようにある物を使うだけではなく、選択の幅が増え 、より自分に合ったソフトを選べる時代になります。 我々が言うのも変な話ですが、メーカーが良かれと思って開発しても、使う人には痒 い所に手賀届いておらず、もうちょっとこうだったらいいのにな〜なんて事もあるか と思います。 また視覚障害者向けソフト開発メーカーも少なく、いろんな分野のいろんなソフトが 沢山ある状況でもありません。 この事から、視覚障害者プログラマーの裾野を広げなければ、視覚障害者のスマート ホン(アイホン)環境やパソコン環境の明日は決して明るくないと通関し、日本障害 者ソフトでは「ダビンチ」の開発に取り組みはじめました。 視覚障害者を対象にした情報処理を教える機関や組織・個人教室の場で「ダビンチ」 を使って頂き、視覚障害者プログラマーが増える事を期待しています。 >ダビンチの概要< 近年注目されているプログラミング言語に「Python(パイソン)」があります。 Pythonは「少ないコード量(文量)で簡単にプログラムがかける」「コードが読みや すい」といったメリットのある素晴らしい言語です。 最近ではアメリカの一流大学でもPythonが教えられていると聞きます。 Pythonの特徴は読みやすく、書きやすい、そして汎用性が高い、ということです。 例えば文字列を表示させるコードを書くとして、C言語では4行以上かかるのにPython ではたった1行「print(“xxxx”)」ですみます。 Pythonはコンパイルの必要がないため1行ずつ入力しながら実行できるという便利さ もあります。 その点がよりPythonをササッとプログラミングできる便利な言語としています。 また、 PythonはWindowsやMac(IOS)、Linuxなど多くのOSで使うことができる のも利点です。 今話題の人工知能(AI)やWeb開発など広い分野で使われていて、「これさえあればな んでも作れてしまうのでは?」そう思うぐらい様々なことができるオールラウンドな 言語です! Pythonのシェアは? IEEE Spectrumが7/18日に発表した人気プログラミング言語のランキング「Top Progr amming Languages 2017」の情報によると・・・ プログラミング言語をいくつかのジャンルに分けてランキング化していますが、Pyth onはJobs(仕事)に関しては3位、それ以外は全て1位と、かなり注目されていること がわかります! 近年の様々なプログラミング言語ランキングでも、Pythonは軒並み上位に食い込んで いる人気言語といえます。 更に、データ解析やAIの分野で広く使われていることから、今後も需要が大きくなる と予想されています! そう、これからますます大注目されることが予想される需要が右肩上がりの言語と言 えます。 皆さんはcloud computingということばを聴いた事はありますか? cloud computingとは、ネットワーク、特にインターネットをベースとしたコンピュ ータの利用形態です。 皆さんが普段使っているスマートホン(アイホン)向け市場においては、クラウド・ コンピューティングの世界はすでに実現しているといえます。 スマートホン(アイホン)の利用者は、サーバの存在など気にせずに自由にサービス を利用しています。 これからはパソコンもスマートホン(アイホン)も垣根が取り外され、どちらもソフ トを使う単なる端末という時代がやって来ます。 ユーザーはコンピュータ処理をネットワーク経由で、サービスとして利用する。 従来のコンピュータ利用は、ユーザー(企業、個人など)がコンピュータのハードウ ェア、ソフトウェア、データなどを、自分自身で保有・管理していたのに対し、クラ ウドコンピューティングでは「ユーザーはインターネットの向こう側からサービスを 受け、サービス利用料金を払う」形になるというものです。 即ち、複雑なソフトのインストールはする必要はなく、スマートホン(アイホン)や パソコンはソフトを使うための単なる窓口になるというイメージです。 ソフトを「所有」から「利用」するという形がこれからの主流になります。 一つの例として、具体的にはスマートホン(アイホン)やヤフーやグーグルなどウェ ブメールというのがありますが、届いたメールを見るのも、書いて送るのも、必要な くなったものを削除するのも、全てネットで行います。 メーラーをインストールして使うという事はないですよね。 メールだけでなく、買い物をするのも予約をするのも、ニュースを見るのも、ゲーム ですら、何かソフトをインストールして使うのではなく、ネットで行うのが普通にな って来ています。 これからはカルテ管理やスケジュール、HP作成やゲームや、ワープロの様な文書作 成、年賀状作成から住所録まで、今までインストールして使っていたようなソフトは ネットにアクセスして使うという時代がやって来ようとしています。 「ダビンチ」は、ウインドウズにインストールして使うソフトだけでなく、そういう Webアプリケーションも開発出来ます。 即ち、インストールして使うものはパソコンのスクリーンリーダーで、Webアプリケ ーションはアイホンなどスマートホンで使用するという事になります。 >Webアプリケーションのメリットは・・・< 「Point of Sales」に対して「Point of Use」という概念があります。 買った時点が最高で、そこから陳腐化が始まるものと、常に使っている時点で最高、 最新のものを利用できるという概念です。 従来のインストール型では、常に、不具合の修正の場合や、バージョンアップなど何 か変更する場合は、追加費用が発生していましたが、クラウドコンピューティングの 標準は、事業者がどんどん最新の技術に更新してゆくため、追加費用なく最新の技術 を利用できる利点がユーザにとってあります。 言い代えれば、個人所有の別荘と常に最新のホテルをその時だけ利用するようなもの というイメージです。 利用する立場からいうと、OSのバージョンに依存しませんし、突然のスマートホン (アイホン)やパソコンの故障や買い替えにも影響ありませんので有難いです。 また、Webアプリケーションでは、ソフトウェアをパッケージ販売ではなくサービス として提供するという事ですから、在宅でソフトやアプリを開発し販売したい視覚障 害者にとって次のようなメリットがあります。 例え、全盲で周りに見てもらえる人がいない環境であっても、従来のようにCDラベ ルデザインを考えたり印刷する必要がありません。 また製品発送のための梱包や送状書きも必要ありません。 開発したソフトの動作検証にあたり、XPやビスタやセブンやエイトや10など複数 の異なるOSパソコンでの動作検証がいらないために、それらに要する経費が必要な くなります。 この事から、在宅において見えない視覚障害者にとって、これから主流になるであろ うWebアプリケーションの時代は視覚障害者プログラマーにとって追い風となります 。 そういったものも開発出来る「ダビンチ」は、視覚障害者にとっての「飯の種」と言 えます。 データを自分のパソコンや携帯電話ではなく、インターネット上に保存する使い方、 サービスが可能なcloud computingだからこそ、自宅、会社、ネットカフェ、学校、 図書館、外出先など、さまざまな環境のパソコンやスマートフォンからでもデータを 閲覧、編集、アップロードすることができる・・・ 作り手の努力とアイデア次第では、今までなかった視覚障害者に便利のよい素晴らし いWebアプリケーションが出てくるかも知れません。 今は視覚障害者の多くがアイホンを使っています。 そうなればパソコンやスマートホン(アイホン)から利用出来るWebアプリケーショ ンで、どんな事が出来るようになるでしょうか・・・視覚障害者プログラマーの腕の 見せ所です。 >ダビンチの特徴・・・< ○Python言語に対応。 個人で作成された言語や少数の人が使用している言語では、プログラムの勉強をする にも参考情報やサンプルも少なく大変です。 プログラミングの為の参考書籍は大変に高価ですし、例え購入したとしても我々 視 覚障害者はそれらを見る事は出来ません。 またその様な専門書籍を音訳されたものも少なく、存在しても内容的に古かったりし ます。 しかし、メジャーなPython言語に対応させる事で、高価な書籍を購入しなくても、ネ ット上に数多くの関連掲示板があり、そこで尋ねたり出来ますし、入門から上級者向 けまで さまざまな人を対照にした解説サイトが無数にあります。 またメジャー言語だからこそ、フリーのサンプルソースコードなども豊富にあり使用 出来るのも魅力です。 そして、何より重要なのは、視覚障害者はスクリーンリーダーを使い、また音声ブラ ウザーで、それらの情報に無料でアクセス出来るという事です。 ○WebアプリケーションとしてHP上で動くプログラムを作れるだけでなく、使ってい るパソコン内で利用できること。 UNIXやWindowsやMacなど多くのプラットフォーム上で動作するものも開発出来るもの とします。 ○視覚障害者対応として専門に開発されたプログラム開発環境 市販スクリーンリーダーに対応させ、弱視者から全盲者までが音声ガイドとキー操作 で使える事が大前提で開発しています。。 (対応スクリーンリーダーは1社の予定ですが、どのメーカーかはまだ決まっていま せん) HPを作成するにも、極端な事を言えばメモ帳でHTMLタグを手動で書いて作成す る事が出来ます。 しかし、それでは多くの入力ミスを起こしたり、作成に多くの時間と労力を要します 。 その為、HP作成は便利の良い さくさくビルダーの様な専門のソフトでとなります 。 同様に、プログラムを書くにも基本的にはテキストエディタとフリーソフトで環境は 作れると思います。 ただ、そのような環境では実際にはプログラムをつくることは難しいのが現実です。 そこで、専門の視覚障害者対応のプログラム開発環境「ダビンチ」を使う事で、音声 ガイドとキー操作で簡単に出来る事が可能となります。 >ダビンチでどんなものが作れるの・・・< 上述の様に、開発出来るソフとは、UNIXやWindowsやMac(IOS)など多くのプラッ トフォーム上で動作するものだけでなく、Webアプリケーション開発も出切るものと します。 Webアプリケーションでは、グループウェア・CRM、オンラインオフィス・メール・ス トレージ・ファイル共有・Wiki・スクラップブック・タスク管理・プロジェクト管理 ・掲示板・ブログ・チャット・アクセスカウンター・デスクトップ共有・オンライン DB作成・人事管理・採用管理・レポート作成・試験運営・投票運営・オンラインビュ ーア・Webサイト監視・会計や経理システム・予約システム・スケジュールシステム ・ネット通販システム・カルテ管理システム・ゲーム・その他 作り手の努力とアイ デア次第です。 また、人工知能を学習したい、もしくは人工知能関連の職業に就きたいならPythonは 習得必須と言っても過言ではありません! 人工知能や深層学習以外にも、上述の通りWebアプリなどの開発にも用いられていま す。 具体的には、Pythonで作られたWebアプリで有名なものに「Youtube」や「Evernote」 などがあります。 その他にも「Instagram」もPythonで作られています。 この様に、みなさんの聞いたことのあるサービスが実はPythonで作られていたりしま す。 先程のWebアプリの実例のようにPythonで「Webアプリを作ってみたい」という方はDj angoというフレームワークを使うと、意外に簡単に作ることができます。 Webアプリだけでなく、その他にもゲーム分野ではPygameなどといったライブラリも ありPythonでゲームを作ることもできます。 さらに、kivyというGUIアプリケーション作成に使うライブラリ等を用いれば、簡単 にiPhoneなどのスマホアプリだって作れます。 Pythonには利用者・開発者がたくさんいるので、いろんなライブラリが作られて自分 が作りたいものを作りやすい環境が整っているのも嬉しいです。 Pythonプログラマの年収はいくらぐらいでしょうか? 年収について調べてみると、求人検索エンジン「スタンバイ」のメディア「みんなの スタンバイ」で公開された2017年版プログラミング言語別平均年収ランキングですが 、Pythonは年収601万円とここでも2位という上位につけています。 同じWeb分野で使われているRubyやPHPなどと比べても高いことがわかります。 次は各仕事別にどのくらいの報酬のお仕事があるのか調べてみると、一番案件数の多 い大手サイトのレバテックフリーランスを参考に、Webエンジニアデータ解析業務の 案件を見てみると・・・ WEBアプリ開発案件では時給3000円前後です。 月収だと50万ほどとなります。 以上参考にして頂ければ幸いです。 === From 日本障害者ソフト 谷口