935 Re: VODへのファイル転送方法

[Tomoyuki Kudou <kudou@xxxxxxxxxxx>]

Voice of DAISY (VOD)を開発しているサイパックの工藤です。

>VODを選択するところまでは行きました。
>しかし、肝心のデイジファイルをどうやって転送するのかがわからないのです。
>試しにライブラリに追加してみましたが、転送されませんでした。
>ちなみに転送しようとしているデータは、サピエ図書館からダウンロードした
>デイジーデータです。

WindowsのiTunesはあまりアクセシブルではないアプリなので、スクリーンリーダー側で色々と工夫したり、スクリプトを用意したりしているケースもあると思いますが、スクリーンリーダ固有のキー操作は使わずに、キーボード操作だけでDAISYデータを転送する方法についてご紹介します。

iTunesは残念なことに初期状態ではキーボードから多くの操作が行えないようになっています。
最初にキーボードから操作を行えるように設定を変更してください。これには[編集]メニューの[設定]の項目を選んで、設定ダイアログを開きます。
設定ダイアログには[一般][再生][共有][Store][ペアレンタル][デバイス][詳細]のタブがありますので、ここから[詳細]を選択します。
ダイアログの一番下の設定項目として、[フルキーボード操作を使用可能にする]というチェックボックスがあるので、これをオンにします。
[OK]ボタンを押して、ダイアログを閉じると、今後キーボードから多くの操作が行えるようになります。

次にVoice of DAISYへのDAISYデータの転送方法です。
まず、USBケーブルで、PCとiPhoneを接続します。
iTunesを起動します。
iTunesは、ウィンドウの左側に複数の機能項目が列挙されています。この機能項目を移動すると、画面構成が動的に変化します。(機能項目という表現は私の勝手な表現ですが)
機能項目の移動には上下矢印キーを使います。下矢印キーを押すたびに、[ミュージック],[ムービー],[テレビ番組],[Podcast],[ブック],[App],[ラジオ],[iTunes Store],[Ping],[デバイス]と機能項目が移動します。これらの機能項目は、iTunesを使っていくと増えたりしますので、お使いのiTunesは必ずしもこの順番ではないかもしれません。
デバイスという機能項目の次に、iPhoneのデバイス名の機能項目があるので、ここに上下矢印キーを使って移動します。iPhoneのデバイス名は、最初にiPhoneをiTunesに接続した時に設定した名前です。
iPhoneのデバイス名が選択された状態になると、iTunesのウィンドウの上側に、[概要],[情報],[App],[ミュージック],[ムービー],[テレビ番組],[ブック],[写真]というタブコントロールのようなボタンが現れます。
ここで、タブキーを押す度に、タブコントロールの項目が移動します。[App]というタブ項目のところで、Enterキーを押してください。
この状態でタブキーを複数回押していくと、[App]タブに対応する機能の画面の中に移動できます。
[Appを同期]という項目の後に、さらにタブキーを複数回押していくと、VODがあります。このVODの項目はVODのアプリを、デバイスに転送するかどうかを指定するための項目なので、飛ばしてください。
さらにタブキーを複数回押していくと、[新しいAppを自動的に同期]という項目に選択が移動します。
この後4回タブを押すと、既にデバイスにインストールされたアプリで、ファイル共有機能を持つアプリの一覧に移動します。
ここで、今度は上下矢印キーでアプリ一覧を移動して、一覧の中にあるVODを選びます。
この状態で、タブを2回押すと、[追加]ボタンにフォーカスが移動するので、Enterキーを押します。
ファイル指定ダイアログが表示されるので、このダイアログでDAISYのZIPファイルもしくは、サピエからダウンロードした自動解凍EXEファイルを指定して、[開く]ボタンを押します。すると、USBケーブル経由でデバイスにファイル転送が始まります。
画面上にはファイルの転送状況がグラフィカルに表示されるのですが、スクリーンリーダがこの状況をレポートできるかは微妙そうです。

ファイルの転送が完了してから、iPhone側でVoice of DAISYのアプリを起動すると、ファイルの解凍が始まります。

以上が、DAISYデータの転送方法です。少しでも参考になるとうれしいです。
大変ややこしく、かつ判りにくい操作なのがとても残念です。
iTunesがもう少し、アクセシビリティ的に使いやすいように改善されると良いのですが。

Thanks, Kudou.