品川です。 ニューヨークの地下鉄はアクセシビリティの向上を目的にいくつもの支援システムをテストしているそうですが、NaviLensもそのうちの一つとして採用されています。 Jay St MetroTech Stationでは、100を超えるNaviLensコードが設置されているとのこと。 QRコードのようなNaviLensですが、そのサイズによってカメラで検知できる距離が変わってきます。 一つのコードが10インチサイズであれば、15メートル離れたところからスマートフォンのカメラで読み取り可能であると説明されています。 ところで、新しい試みとして、学校向けに60のNaviLensコードを無料提供するそうです。 個人向けのコードは一人のユーザしか情報を読み取れないわけですが、パブリック向けのコードであれば複数の人が読み取り可能なので、情報提供の手段として利用できます。 たとえば、学校内の教室やトイレ、建物入り口にコードを貼り付けておけば、いちいち壁を触りながら歩かなくても、離れた場所からスマートフォンのカメラで見つけることができるでしょう。 また、コードに書き込んだ情報は更新できるので、会議室で予定されているスケジュールなどを日ごとに入れ替えるという使い方も考えられます。 コードは紙に印刷すればよいだけです。 今年の日本ライトハウス展で実際に読み取っている様子を紹介しましたが、あれは印刷した紙をラミネートしたものです。 ラミネートしておけば雨の日の屋外でも安心ですね。 この学校向けのコード無料提供サービスですが、日本語にはまだ対応していません。 英語、スペイン語、フランス語が現在の対応言語です。 NaviLens - Tag your life https://order.navilens.com/ このNaviLensをバルセロナまで見に出かけてきたという人のブログが公開されています。 この12月はアクセシビリティに関心のある人や関連の仕事をしている人たちが「アクセシビリティ Advent Calendar」に毎日記事を投稿されておられるようですが、そのうちの一つの記事にNaviLensのことが紹介されています。 アクセシビリティ Advent Calendar 2019 - Adventar https://adventar.org/calendars/3996 <障害のある方やすべての方へ>タグで情報提供。屋内を含む案内が可能なバルセロナの 「NaviLens」 http://www.mirai-commons.com/blog20191220.html 早く日本の街中にもNaviLensがたくさん設置されてほしいと願っています。 今はiOSとAndroidのデバイスのカメラで検知できるようになっています。 将来的にはOrCamのようなオプションのカメラで読み取れるようになってくれればもっと実用的になることでしょう。 Envision AIは2020年1月に開催されるアメリカのCESのイベントでスマートグラスのプロトタイプを紹介するようですが、それらの視覚支援テクノロジーとも連携してもらいたいですね。 アメリカではBose FramesとAiraがコラボしたカメラ付きサングラス型ヘッドセットの開発が進められているようなので、来年からはグラス型デバイスがより身近なものになってきそうです。