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24653 ビデオ番組の紹介 -- Apple TV+で配信されている「See ~暗闇の世界~」 目が見えないことが当たり前である世界の話





品川です。

2019年11月1日より、アップルはオリジナルのビデオ番組を配信するサービス「Apple TV+」を開始しました。
料金は月額600円、7日間は無料トライアルです。
また、2019年9月11日以降に新品のiPhone、iPad、Apple TV、Mac、iPod touchを購入した人は、1年間無料となります。
ファミリー共有に対応しているのはうれしい点です。

Apple TV+が、世界最高の才能たちが手がけるオリジナル作品を携えて11月1日にサービスの提供を開始 - Apple (日本)
https://www.apple.com/jp/newsroom/2019/09/apple-tv-launches-november-1-featuring-originals-from-the-worlds-greatest-storytellers/


サービス開始時点では8種類の番組が公開されています。

その一つが、
「See ~暗闇の世界~」

ウイルスにより地球上の人類の多くは死滅し、残った人類は視力を失います。
視力という感覚はもはや存在しないものであり、異端としてみなされてしまう考え方になってしまいました。
そんな中、視力を持つ双子が誕生。
盲目の部族同士の戦いなどが描かれていくようです。

斧を杖代わりにして歩いたり、鞭で地面の様子を確認したり、ロープを頼りに移動するなど、目の見えない戦士たちがはたしてどのように戦うのか、たいへん興味深い作品です。
鼻利きは、敵の人数や動物の数を嗅ぎ分けることができ、予知能力を持つ人物は貴重な役割を果たします。

作品を通して重要な存在になるであろう視力を持つ双子、彼らの名前はコフンとハニワ。
このネーミングはどこから来たのか、日本と関係あるのかどうか、そんなことも気になります。


さて、Apple TV+は標準インストールされているTVアプリで視聴できます。
iOS 13のiPhone XSでVoiceOverによる読み上げ操作を確認しています。

この作品はADとSDHに対応しています。
ADとは、Audio Description、視覚障碍者向けの音声解説です。
SDHとは、Subtitles for the Deaf and Hard-of-Hearing、聴覚障碍者向けの字幕です。

ADを利用するには、
設定アプリを開いて、「アクセシビリティ」、「バリアフリー音声ガイド」と進み、
「バリアフリー音声ガイド」のオン・オフ切り替えボタンをオンにします。

SDHを利用するには、
設定アプリを開いて、「アクセシビリティ」、「標準字幕とバリアフリー字幕」と進み、
「クローズドキャプション+SDH」のオン・オフ切り替えボタンをオンにします。

CCやSDHの字幕の内容は、VoiceOverのメディア説明サービス機能により読み上げや点字出力させることができます。

ADとSDHは、ビデオ再生中の画面でも選択可能です。
「メディア選択範囲」ボタンを実行するとメニューが表示されます。


撮影現場には目の見える役者だけでなく見えない役者もたくさんいたでしょうから、ドラマ同様に独特の雰囲気があったのかもしれませんね。

「See ~暗闇の世界~」のシリーズ1は全部で8話の予定だそうです。
エピソード1と2は無料で視聴できます。
現在はエピソード4までが配信中。

シリーズ2の配信も予定されています。


ところで、この作品の制作スタッフの一人であるJoe StrechayさんへのインタビューがHadleyのPodcast番組で公開されています。
ジョーさんは、AFB(全米盲人協会)で7年間働いていたこともあるそうで、マーベル作品の「デアデビル」の脚本、おそらく音声解説シナリオではないかと思われますが、そんな仕事もしてきたとのこと。

「See」の作品では、視覚障碍者の生活や動きのアドバイス、登場人物の服装など、様々な分野でかかわっておられたようです。

目の見えるスタッフたちに目の見えない人の生活を紹介する時間も設けられていたそうで、iOS VoiceOverの使い方についても取り上げていたとのこと。
Voice Dream Readerアプリで資料を読むスタッフも出てきたそうです。

Hadley Presents - Behind the Scenes of SEE from Apple TV+: 
https://hadley.edu/HadleyPresents/episode.asp?episode=Behind_the_Scenes_of_SEE_from_Apple_TV_Plus

In this episode, Ricky Enger chats with Joe Strechay, associate producer on the Apple TV+ series SEE. The show takes place in a future where, after a viral apocalypse, all humans are blind. Joe takes us behind the scenes of the show and his work to help build an inclusive set for the cast and crew, including those with low to no vision. From casting to costumes, scripting to scenery, hear how Joe helped create a science fiction world that strives to be authentic to life with vision loss.



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