京都の大森と申します。 いつも有益な情報をありがとうございます。 歩行レコーダーに関する議論、とても興味深く 拝見しています。 ここまで、非常にたくさんの論点が出ていて、 それが混在して議論されているため、議論が 噛み合いにくい面があると思います。 どの論点が重要かについても各々ご意見が あり、平行線になるのは致し方ありません。 ここは論点を分けて議論してはどうでしょうか。 以下、長文で申し訳ありませんが、論点の 整理を試みてみたいと思います。 私が拝見している限り、ここまでの論点は 主に次のようなものだと思います。もし見落としが ありましたら補足をお願いします。 1 ダウンロード販売に対する日常生活用具支給の方法 →もとの谷口さんの問題提起はこの点に絞られていたと 思います。細分すると、 1.1 従来の給付券の制度とAppStoreのダウンロード販売の 仕組みの整合が可能か。 →谷口さんによれば、アップルはAppStoreを通じた決済以外 認めないとのことです。一方、[Aa:23064]で 平瀬さんが指摘されているように、 Microsoft Office365など 一部のソフトウェアでライセンスを別途発行している例が ありますので、大手デベロッパとの間では交渉の余地が あるのかもしれません。 1.2 従来の給付券の制度によらない給付が可能か。 →谷口さんは自治体の努力を求めておられ、同様のご意見が 多いようにみえます。私は、アップルの制度が障壁に なっているとも感じました。上記1.1の論点にまとめられます。 自治体の工夫でなんとかなる問題なのかも課題です。 2 歩行レコーダーの有用性や使い勝手について 2.1 視覚障害者の歩行にとって有用なものか。 →この点は皆さん一定の有用性を認めておられます。 2.2 iPhoneアプリという形態がベストか。 →皆さんさまざまな意見があり、多様な商品が出て 選択肢ができる必要がありそうな状況です。 2.3 有用性を体験版などで広くテストすべきではないか。 →開発者さんのご判断とは思いますが、この意見は 多かったと思います。谷口さんのこれまでのご説明では、 ソフトウェアとしてはいつでも世に出せるクオリティであり、 テストの必要性は少ないと感じられていると拝察します。 2.4 給付の対象として認められるかどうか →谷口さんが何度か述べられているように、アプリ自体は 既に給付対象に認め得る製品になっているとのことです。 問題になっているのは上記1の論点だけのようです。 3 価格はいくらが適正か。給付制度による負担軽減が必要か。 →開発者さんは給付を前提に開発されており、それに対して 給付がなくても買う人は買う、という意見がありました。 この点は考え方が分かれており、開発者さんとユーザーさんで 考慮する要素も違いますね。 4 とにかく早く世に出して欲しい!使いたい! →この声も多かったです。ユーザーのリクエストとして 開発者さんに受け止めていただける場となれば よいなと思います。 以上、勝手にまとめてすみません。 また、論点をまとめている中に自分の意見も 書き込んでしまっている部分もあり申し訳ありません。 最後に、一連の議論を拝見しての、私の意見を 述べておきます。1の論点に関するものです。 まだ長文が続き申し訳ありません。 まず、論点1.2の給付券制度の改善ですが、 現在の日常生活用具の給付が給付券との交換による 現物支給的な形を前提としている限り、 制度の抜本的な改正をしないと難しいと思います。 自治体の窓口で改善できるレベルではないのでは。 一方、論点1.1でOffice365の例が出ていますが、 他にも確かATOKなどのライセンスでも、同様に AppStoreのダウンロードとは別途ライセンスを 販売している例があると記憶しています。 現状では大手デベロッパの、複数台ライセンスの 取扱のケースが多いように見えます。 この形をアップルが認めれば、給付券と交換で ライセンスを販売でき、問題解決です。 自治体も新たな手法を考える必要がなく、 受け入れやすいと思われます。 また、アップルは今でもアカデミックや法人向けなど 一般の消費者向けと別の販売形態も持っていますから、 同様に障害者用給付向けストアを作ってくれると いいですよね。 給付券を提出するとAppStoreで使途を限定したクーポンが 発行される仕組みになれば便利だと思います。 (実際にやろうとすると、各自治体とアップルが契約を するなどの非常に煩雑な事務が発生して、アップルが 困りそうですが。) このような交渉は誰がするのがよいのでしょうか。 当事者も、要望を受けている自治体も、国も、それぞれ 声をあげていかねばならないのかもしれません。 これは今回の歩行レコーダーに限った話ではなく、 AppStoreが給付を取り扱えるようになることで、 障害者向けのアプリ開発が給付を想定してできるため 価格設定面で制約が軽くなり、開発が促進されますし、 たとえばVoice of Daisyなども給付対象になる可能性が あったりと、障害当事者にとってメリットの多いことだと 思います。 以上、 長文で大変失礼しました。 以下署名 ------------------------------- 大森友也 on iPad Pro 9.7inch OMORI, Tomoya -------------------------------
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