Apple Accessibility Mailing List Archive
最初のページへ最後のページへ[Prev Page]次のページへスレッド表示過去ログ検索インデックス

[Date Prev][Date Next][Thread Prev][Thread Next][Date Index][Thread Index]

1830 因幡電機産業「iTwins」レポート(やや長文)





大阪の松田@i-assistです。

因幡電機産業の「iTwins」の話題が出ていましたが
私はこれを所有していますので、ちょっと感想を書いてみたいと思います。

個人的には因幡電機産業が、こんな製品を出してくるとは凄く意外でした。
この会社は、主に住宅用配管・電気設備部材を供給している会社なので・・・。

余談はさておき、本題です。
「iTwins」とは、バッテリー内蔵型Bluetoothテンキーキーボードです。
バッテリー容量は1590mAhで、本体サイズは53(幅)×95(高さ)×12(奥行き)ミリで、重量は約70グラムです。
イメージとしては、折りたたみ式の携帯を少し薄くして少し短くして少し幅広にしたようなイメージです。

本体は、3列×8段のボタン配置になっていて、それぞれのボタンを触って確認することができるので、視力に頼らなくても操作できます。
携帯と同じように、上部に十字キー、下部に数字(文字)キーがあるので、
従来の携帯電話になれた人でも、比較的違和感なく操作でいる可能性が高まると思います。
また。決定キーと数字の5のキーには、突起がつけられているのも嬉しいです。
しかし、周囲のキーも仮名文字の印刷が触って分かるので、突起だけが目立っているわけではないです。
でも裏を返せば、これでキーの場所が特定されるので、これを手がかりにするといいと思います。

キーの配置は、
中列の上から2段目がENTERキーで、その上下左右にカーソルキーがあります。
中列の下から3段目が5のキーである。仮名で言うと、「な」です。


i-assistでは、因幡電機産業に問い合わせて
デモ機をお借りしていた時期がありました。
その期間中に先方とやりとりをしていて、分かったことを簡単に書きます。

・VoiceOverのショートカットコマンドには対応していない。
・クイックナビゲーションなども使えない。

そもそも、複数キーの同時押しには対応していないので、
これを解決するためには、根本から設計を見直さなければならないため、難しいとのことでした。

じゃあ、何ができるかというと、
・ホーム画面で左右キーを使ってアイコンを選ぶ
・上下キーであらかじめ画面上で設定したローターの動き
・単純に文字を打つ

ということがメインになってくると思います。


以下は個人的な感想と思うところです。

まず、商品自体のコンセプトとしては、
バッテリー内蔵型Bluetoothキーボードという、
(私の知る限り)あまり例が無く、画期的な製品だと思っています。
スマートフォンというのは、バッテリーとの戦いというところがありますので、
運用がスマートではないという、皮肉みたいな感じになってしまっているのが現状です。
iTwinsではキーボードもあって一石二鳥ですので、非常に面白いと思います。

制作上の、偶然の産物かもしれませんが
それぞれのボタンの位置と大きさを触って確認することができるので、
視力に頼らなくても操作できます。
携帯と同じように、上部に十字キー、下部に数字(文字)キーがあるので、
従来の携帯になれた人でも、比較的違和感なく操作できる可能性が高まります。
キー自体の数も多くないし、しばらく使えば慣れやすいと思われます。
むしろ、印刷している文字が盛り上がっているところが
触って判断できるので、嬉しいと思います。

もちろん、キーの同時押しができて、
VoiceOverコマンドに対応すれば言うことないのですが、
開発にかかる時間とコストは考慮しないと入れないし、
先方からのの回答にもありましたように、
設計を根本から見直す必要があるということでしたので
そのあたりも含めて、iTwinsは現在の価格で販売できるのだと思います。
だから、現状としては、タッチパネルで文字を打つのは、
しんどいから、そこはキーボードでやって、
項目を実行したりローターの操作については、
アクセシビリティ機能が充実しているのだから
ユーザー側で端末を直接操作すれば良いんじゃないかなぁという感覚でいます。

製品に対する要望を出すのは大切なことですが
企業様の利益や事情を考慮することも大事だと思います。
そうなった場合に、時として100パーセント開発側で努力しなければならないことがありますので、
お互いの歩み寄りがあって、良い方向に向かっていければいいなぁと思っています。

イメージとしては、
「ボタンの配置が分かって快適に文字が打てるキーボードを出してください。
コストの関係で、VoiceOverへの完全対応が難しければ、後はユーザーが何とか工夫して使いますよ」
みたいな感覚です。
これだけ考えると、iTwinsでは実現できています。

かゆいところには手が届かないけど
ツボをしっかり押さえているという点では、お勧めできると思います。
しばらくは、難しいですが、
動画配信「ShinとYukakoのAccessibility Stream」でも紹介したいと思います。
そして、ゆくゆくは、触ってもらえる機会が作れたらいいなぁと思っています。

以上です。

以下署名です。

松田 晋(まつだ しん)
http://shin-matsuda.com/
視覚障害者(音声読み上げユーザー)向けスマートフォンの選びのポイント 
〜AndroidとiOSはどちらを選んだらいいのか〜(2012年8月版)
公開中!

ITサポート i-assist(アイ・アシスト)
http://i-astjp.com/
iOS機器レンタルサービスやってます。

twitterもやってます。
http://twitter.com/#!/arfa57 



Tweet



メーリングリストの案内と参加方法はこちらに掲載しています.
Created by misono, aa-owner [AtMark] nvsupport.org/ml/