井上です。 先日iPhoneで少しきれいなステレオ録音ができるようにしたいと思い立ち、 以下の製品を購入してみました。 使ってみて、VoiceOver環境ではやや不便な点などわかってきたのでレポートし たいと思います。 結論としては、VoiceOver環境だとやや使いにくい点やできないことがあります。 iQ7 | ZOOM http://www.zoom.co.jp/products/iq7/?lang=jp 【藤本健のDigital Audio Laboratory】第606回:iPhoneが高性能リニアPCMレコーダに変身 - AV Watch http://av.watch.impress.co.jp/docs/series/dal/20140908_665635.html これはiPhoneのLightning端子に接続して利用するステレオマイクです。接続 すると、iPhoneにその2倍くらいの厚みのボックスがつながり、その反対側に90 度回転できるマイク部がついています。 iPhoneとボックスの間にはケーブルなどはなく、一体になる形です。 録音のスタイルは二つ選べます。一つはiPhoneを逆さまにしてマイク側を録音 対象に向ける形で、おそらく一番音がよいと思います。 もう一つはiPhoneをマイクを左にして横向きに持つ形です。マイクは背面カメラ と同じ向きに正面を向けられるようになっています。ただしこれだとマイクのす ぐ右側に上に書いたボックス部が来るため、よく聞くと右側に障害物を感じるか もしれません。 ZOOMが出しているHandy Recorderというアプリもあり、録音や編集、そしてiQ7 の設定ができます。録音はマイクに対応したアプリなら可能ですが、設定ができ るのはHandy Recorderだけです。 iQ7を接続するとボックス部が干渉してイヤホン端子は使えません。またスピー カーからも音は出ません。ボックス部にイヤホン端子がついていて、ここから VoiceOverなどの音を聞くことができる他、Handy Recorderではアプリを通した 音や直接音をモニターできます。(直接音にするとVoiceOverの声は聞けません。) 一つ目の残念な点がここで、iQ7をつなぐと本体スピーカーから音が出ないの で、必ずイヤホンが必要になります。録音するのだからVOの音は邪魔な訳ですが、 ICレコーダーっぽく使おうと思うとイヤホンなしでは操作不能なのはちょっと不 自由です。どうやら一般的に、Lightningの音響機器をつなぐと本体から音を出 せないものらしいので、モニター用イヤホン端子があっただけ救いとも言えます。 もう一つの残念な点はHandy Recorderのアクセシビリティ対応が不十分なことです。 上に書いたモニター用イヤホン端子の音量は初期値で最大になっています。 これの変更は本体ボタンではなく、Handy Recorderでしかできません。そしてそ のためのスライダーをVoiceOverは認識しません。なので場所を教えてもらわな いとイヤホンの音量を変更できないことになってしまいます。 Handy Recorderは録音した音声を編集する機能があり、M-Sモードでとった音 をステレオ感を変えて保存できたりもします。しかしVoiceOverではスライダー 系の操作が全滅なので、この機能も利用できません。M-Sモードで録音する場合 は別途PC用の音声処理ソフトで加工する必要があります。 とはいえ、手元にある8年くらい前のICレコーダーと比べると音もいいし、録 音レベルをつまみで調整できたりするので、取り回しになれれば便利に使えるの ではないかと思っています。 もし気になっている方がいらっしゃったら、どのように覚悟すればいいかなど 参考になれば幸いです。 -- Koichi Inoue, ARGV