品川です。 ここで紹介する機能が実際に便利なのかどうか、使用している人の感想を聞けるとうれしいです。 また、最後に質問を三つ書かせていただきました。 ご存知の方、実際に確かめてみたという方、教えていただけると助かります。 iOS 8のアクセシビリティの一覧には「スピーチ」という項目が加わりました。 普段ボイスオーバーをオンにしているユーザーにはあまり関係のない機能かもしれません。 しかし、ボイスオーバーを使用していない弱視の人、目が付かれやすい人、耳から入る情報の方が処理しやすい人など、そんな人が利用するとかなり便利なのではないかと思います。 「スピーチ」の設定項目には、 「選択項目の読み上げ」 「画面の読み上げ」 「内容を強調表示」 「自動テキスト読み上げ」 これらのオン・オフ切り替えボタンが配置されています。 この内の 「選択項目の読み上げ」 「自動テキスト読み上げ」 については、iOS 7にも存在しました。 「画面の読み上げ」は新しくついかされましたが、これをオンにしていると、 ステータスバーにタッチした後、2本指で下不リックすると、前文読みが開始されます。 画面上には読み上げバーが表示されて、 「読み上げバーをしまう」 「中止」 「読み上げ速度を下げる」 「巻き戻し」 「一時停止」 「早送り」 「読み上げ速度を上げる」 ボタンが表示されています。 デフォルトの読み上げ速度や声の種類は、スピーチの設定の中で変更できます。 これはボイスオーバーで設定している読み上げ速度や声の種類とは別になっています。 「内容を強調表示」、これは読み上げている箇所をハイライトしてくれる機能だと想像しますが、これもまた便利そうですね。 いちいちウェブページをVoice Dream Readerで開かなくても済みそうです。 さて、「画面の読み上げ」をオンにすると、私はボイスオーバーがオフの時に作用するのかと思っていました。 しかし、実際にはボイスオーバーがオンの時にも連続読み上げを開始します。 iOS 8にしてから音声が二重に聞こえるシーンがあったので、不思議だなぁと思っていたのですが、このためでした。 私の環境では、「画面の読み上げ」の音声を日本語の高品質にするとボイスオーバーの声と同じになってしまいややこしいので、「デフォルト」に設定してみました。 おもしろいのは「画面の読み上げ」機能で連続読みさせていると、マルチリンガル機能が働いて、日本語と英語の音声が混在しました。読み上げ速度は声の種類によって切り替えることはできません。 アメリカ英語にAlexを選ぶと、まったくAlexは登場しませんでした。 この点はボイスオーバーだと細かい設定ができますね。 ボイスオーバーの設定項目の中にも「スピーチ」というのがあり、そこでは各言語やその声質を選べます。そして、読み上げ速度を固定できます。 また、ローター操作で「言語」の項目を変更することで、マルチリンガル機能を働かせたり、一つの音声に固定することができます。 ここからは質問です。 質問1 Safariで複数ページにまたがるウェブサイトを表示させて画面の読み上げをさせると、ページの最後までを読み上げてくれます。 この場合、ページの途中から読み上げさせると、どの位置から読み上げが始まっているのかを確認できませんでした。現在表示中の画面の左上端から読み上げているのでしょうか? 質問2 iPhone 4Sではスピーチの中に「画面の読み上げ」の項目は存在しますでしょうか? 先日、日本ライトハウス展でiPhoneの体験会のお手伝いをさせていただきましたが、その中に普段はボイスオーバーを利用していない人がいらっしゃいました。 Kindleやニュース記事などは読み上げさせたいという希望だったので、この「画面の読み上げ」を紹介しようとしました。 その人のiOS 8, iPhone 4Sではスピーチの中に「画面の読み上げ」の項目を見つけることができませんでした。 その時は時間に余裕がなかったのでしっかり確認できず、また、私の手元にiPhone 4Sがないので、はたして存在するのかしないのか、知りたいと思っています。 質問3 「画面の読み上げ」をオンにすると、Kindleでも読み上げを確認できました。 ステータスバーにタッチできなかったので、ボイスオーバーをオフにする必要がありました。 ただし、ボイスオーバーで連続読みさせるとページをまたいで読み進めてくれるのに対して、画面上の文字情報だけを読み終わると音声は停止します。 このことから考えると、Kindle本の読み上げにはボイスオーバーがオンでないと実用的ではないでしょうか? 新しく加わったというか、改良された「スピーチ」の機能。今後の発展が楽しみです。 文字情報の音声読み上げには興味があるものの、iOSではボイスオーバーをオンにすると特有のジェスチャーで操作しなければならないので、わざわざそれを使う人は少ないと思います。 しかし、スピーチの機能を利用すればボイスオーバーをオンにする必要はありません。 視覚に障害を持たなくてもこの機能をとても魅力的だと感じている人は多いのではないだろうかと想像します。 たくさんの人が音声読み上げを利用することで、音声エンジンの質が向上していくことを願っています。