品川です。 3月16日にアップル京都で開催されたToday at Appleのアプリケーションラボ、デン マークから招待されたBe My Eyesアプリの開発者であるハンスさんとクリスチャンさ んが担当されました。 その時の様子が記事として紹介されています。 視覚障がい者の生活を変えた「Be My Eyes」開発者がApple京都に登場、発想をアプ リに落とし込むコツを伝授 - Engadget 日本版 https://japanese.engadget.com/2019/03/25/be-my-eyes-apple/ 当日は私も参加しましたが、プログラミングの話かと思いきや、アプリを設計してい くまでのプロセスについて。 高度な内容の話を聞いてもちんぷんかんぷんなので、私には都合のよい内容のお話で した。 アップルストアのスタッフに尋ねてみると、当日の参加者は34名で、そのうち視覚障 碍者らしき人は4名だろうということでした。 中学生グループの見学もあり、アップルストア京都1階の会場は賑わっていました。 今回ハンスさんとクリスチャンさんはアップルストア京都に招待されたそうで、日本 で開催したワークショップはこの日だけ。他のストアでもすればいいのにと思いまし たが、参加できたことでちょっと得した気分を味わえたかも。 2015年1月にiOSアプリがリリースされて、2017年10月にAndroidアプリがリリースさ れました。 開発チームは徐々に人が増えて、今では10名だそうです。 ちょうどアメリカのアナハイムではCSUNが開催されていましたが、別のメンバーがそ ちらに出向いていたそうです。 今ではヘルパー登録している人の数は世界で200万、視覚障碍者として登録している のは12万人近く。 さて、日本ではどれだけの人が登録しているのか尋ねてみると、ヘルパーは7000人、 視覚障碍者は1300人であるということでした。 今度ある雑誌から記事執筆を依頼されたので、何名かにBe My Eyes体験談を聞いてみ ているのですが、意外にも利用していないという人が多いように感じられました。 恥ずかしくて躊躇してしまうという理由が大きいようです。 ある人の話でおもしろかったのが、リクエストをしたときにヘルプしてくれる人はど の地域に住んでいるのか尋ねてみているそうなのですが、3人続けて大阪の人だった ということがあったそうです。 また、Androidスマホ使用者に尋ねてみたところ、Android版アプリがリリースされて いることを知らないと言っていました。 なかなか情報は伝わらないのだなぁと感じさせられました。 Be My Eyesでは、視覚障碍者がリクエストを発信するとヘルパー登録している人に通 知が送信されますが、一度担当した人にはつながりにくいように考慮されているそう です。 ああ、またこの人からのリクエストか… そんな風に相手に思われてしまう心配はあ りません。 もちろんヘルパーが忙しくてリクエストに応じたくない場合は、通知を無視していれ ば他のヘルパーに通知が送られる仕組みになっています。ボランティアする人は自分 の都合でヘルプするかどうかを決められます。 また、ヘルパーに通知が送られる時間帯は午前8時から午後9時まで。 夜中にヘルパーの邪魔をしてしまうという心配はありません。 では、午後9時から午前8時まではだれにつながるのかというと、自分の住んでいるタ イムゾーンとは別の地域に住んでいるヘルパーです。 海外に住む日本語使いのヘルパーがどれだけ登録しているのかわかりませんが、もし 夜中にリクエストを受けてくれる人がいたならば、それは貴重な体験かもしれませ ん。 Be My Eyesのサービスが始まった直後から開発者チームに対して、ヘルパーからよく 寄せられる質問があるそうです。 「自分は視覚障碍者の助けになりたいと思っているけども、まったくリクエストが やってこないよ」と。 実際に登録しているヘルパーの数は視覚障碍者の数よりも多いわけなので、なかなか 通知は届かないのでしょう。 私が危惧するのは、せっかくたくさんのボランティアがヘルパー登録していても、し だいにその思いが冷めてしまい、アプリを削除したり、登録解除してしまわないかと いうことです。 もしリクエストしたい事柄があっても恥ずかしいからという理由で躊躇している人が いれば、ぜひ一度試してみてください。 自動販売機でジュースを選ぶ場面、店の入り口が見つからない場面、エアコンの温度 調整をしたいとき、目の前にどんな花が咲いているのか知りたいときなど。 自分が助けられることで、相手の喜びにもつながります。 気を付けることとしては、個人情報の書かれた物を写さないこと。 最近のBe My Eyesのトピックとしては、ボランティアとして登録したヘルパーにリク エストを送るのとは別に、登録した会社のヘルプデスクにビデオ通話できるように なったことです。 2018年にはMicrosoft、2019年にはGoogleのアクセシビリティ窓口につながるように なりました。 残念ながら日本語では利用できません。 これからも成長し続けて、サービスを維持してほしいと願っています。