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7582 Re: iOS 8で追加された「点字画面入力」





品川です。


「点字画面入力」についてまとめてみました。


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iOS 8で追加された点字画面入力について


iOS 8からは点字画面入力という機能が加わりました。
2014年9月現在では、英語の文字入力においては実用的に使えます。

文字入力の場面で表示されているキーボードの種類が日本語になっていれば、点字画面入力で日本語をタイプすることができます。
ただし、ひらがなのみです。
そして、すべてのひらがなが入力できるわけではありません。

iPhone 5sで確認したところ、6点の同時入力は認識しませんでした。
点字の6点をすべて必要とする「め」の文字を入力する場合は、同時にタップするのではなく、少しタイミングをずらす必要がありました。

iPadでは、6点の同時入力ができるようです。

さて、どんな風に使うことができるかというと、

1. パスコード入力を含めたテキストフィールドで、点字画面入力に対応した文字、数字、記号を入力できます。
(日本語環境でも可)

2. ホーム画面で文字を入力すると、その文字から始まるアプリだけを表示して、1本指の上か下フリックで移動できます。
(日本語環境でも可)

3. サファリなどでウェブページを表示している画面では、用意されている文字を入力すると、特定の要素の箇所だけを1本指の上か下フリックで移動できます。
たとえば、「l」はリンク、「b」はボタンです。
(日本語環境では不可)

■1 点字画面入力をするための準備と注意点
点字画面入力を使ってみたい人は、ボイスオーバーのローター項目に「点字画面入力 Braille Screen Input」を追加します。
点字画面入力ができる場面では、ローター項目の中に「点字画面入力」という読み上げを確認できます。その項目に合わせると実際に点字画面入力することができます。

ただし、点字画面入力できる状態では、ボイスオーバーの一般的なジェスチャーが利用できません。一般的なボイスオーバーのジェスチャーを使いたい時には、ローター操作で「点字入力画面」以外の項目に合わせる必要があります。

点字画面入力の状態の時だけ使えるジェスチャーが用意されています。
ボイスオーバーの操作練習の画面で、点字画面入力で利用可能なジェスチャーを練習することができます。
「設定」→「一般」→「アクセシビリティ」→「ボイスオーバー」→「ボイスオーバーの操作練習」と進みます。

ボイスオーバーの操作練習の画面では、最上部に「一般」、「手書き」、「点字」の切り替えボタンが用意されています。
ここを選択状態にすることで、それぞれのジェスチャーを練習することができるようになっています。


■2 ホールドモードとテーブルモード、iPhoneの持ち方について
iPhoneで点字画面入力の状態にすると、横向き表示の画面に切り替わります。そして、二つのスタイルで点字入力することができます。
机の上に置く場合はテーブルモード。
写真撮影のように両手で抱えて持つ場合はホールドモードです。

画面サイズの小さなiPhoneで点字入力をする場合、ホールドモードが都合よいかもしれません。
両手の親指と小指でiPhone本体を持ち、残りの6本の指で点字入力します。
パーキンスブレーラーのように指を横にそろえるのではなく、縦に配置します。

昔の点字の達人は点字の本を読む時に、お腹に背表紙を宛てて本を縦に持って読んでいたそうです。
iPhoneをお腹に宛ててホールドすると、安定した点字入力ができそうです。

持ち方を決めたら、今度は点の位置を調整します。
調整した点の位置を頭に入れて、文字入力するわけです。

点の位置を調整するには、6本指で同時にダブルタップします。
iPadで8点式入力モードを選んでいる場合は、8本の指で同時にダブルタップします。

iPhone 5sでは同時に5本の指までしか認識しませんでした。
そんな時の点の位置の調整方法は、

 ホールドモードの場合、まずは右側の指3本を同時にタップして、すぐさま左側の指3本で同時にタップします。
テーブルモードの場合は、左側の指3本でタップしてから、すぐさま右側の指3本でタップします。

点の調整が正常に行われたら、
「点の位置を調整しました」という読み上げを確認できます。

ホールドモードの場合、
1の点が左手人差し指。
2の点が左手中指。
3の点が左手薬指。
4の点が右手人差し指。
5の点が右手中指。
6の点が右手薬指。


■3 点字画面入力モードで利用できるジェスチャー
ローター操作で「点字入力画面 Braille Screen Input」の項目に合わせると、文字や数字を入力できるだけでなく、次のジェスチャーが利用できます。

1. 3本指の右フリック、もしくは3本指の左フリック
iPhoneでは、入力方式を6点式と2級英語に切り替えます。
iPadでは、入力方式を6点式、2級英語、8点式に切り替えます。
6点式の場合、文字入力と同時にその文字が読み上げられます。
2級英語点字の場合、たとえば「p」を入力した後に1本指の右フリックを行うと、「people」とスペースが入力されます。
この時は「p」という文字入力の際には音声読み上げはなく、1本指の右フリックをした後で「people」が読み上げられます。

2. 1本指の右フリック
スペースを挿入します。

3. 1本指の左フリック
最後に入力した文字を削除します。
キーボードのバックスペースキーと同じ働きです。

4. 2本指の右フリック
改行、もしくはリターンキーの実行。
ホーム画面では、アプリを実行します。

5. 2本指の下フリック
2級英語点字を入力する状態では、文字をタイプした後にこのジェスチャーを行うと、フルスペルに訳してくれます。
たとえば「p」をタイプした後で2本指の下フリックを行うと、「people」と訳します。
この時は「p」という文字入力の際には音声読み上げはなく、2本指の下フリックをした後で「people」が読み上げられます。スペースキーを入れたくない時に使うと便利でしょう。

6. 1本指の上フリック、もしくは1本指の下フリック
テキストフィールド内で文字を入力している時は、スペル候補を選択します。
ホーム画面では、アプリ間を移動します。文字入力すると、その文字で始まるアプリだけを絞込み表示させて移動できます。
ウェブ上では、要素間を移動します。たとえば「l」の文字を入力後だと、リンクの要素だけを移動することができます。

7. タッチ&ホールドによる案内モード
指を押したままにしていると効果音が鳴り、その指がどの点の位置にあるかを教えてくれます。
指を1本だけ置いててもよいですし、複数の指を同時に置いていてもよいです。



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