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6837 スキャン用ボックス作ってみました





みなさんこんにちは。神戸の佐藤です。

iPhoneには、内蔵カメラを使って撮影した書類などをOCR処理し、
テキスト化してボイスオーバーで読ませることが出来るアプリが数種類あります。
みなさんも1つはお持ちではないでしょうか。

その際、重要なのは書類全体を手ブレ無しで鮮明に撮影することです。
しかし、僕達視覚障害者にはこれが難しく、書類全体が撮影できているかどうかを
確認することができません。
そこで、できるだけ簡単に書類全体を撮影出来るよう、専用のボックスを作ってみました。

参考にしたのは、このMLに参加されている広島の氏間さんのホームページです。

http://home.hiroshima-u.ac.jp/ujima/src/research08-017.html

上のサイトでは、スキャン用のボックスを実際に作られた方の説明ビデオが見られます。
また、氏間さんがボックス作成上のポイントを解説されています。

使用するのは、プラス サンプルボックス BF10-A4-200
というものです。
これはプラス社製の、段ボール製A4サイズの収納ボックスで、Amazonで980円ほどで買いました。
組み立て式ですが、組み立てというほどのものでもなく、底面を外してペシャッとたたんだものですので、
開くように元に戻し、底板を底面に押し込めば終わりです。

このボックスはフタ付きですが、箱と一体となった式のフタで、
長編の片側が本体と一帯になっていて、対面する側の長編が
「L」状のカギ型になっていて、差し込む式のものです。

組み立てた後は、箱の長編側側面の一方を切り抜き、ここから書類をセットします。
フタ面のど真ん中に、iPhone背面カメラのレンズを覗かせる穴を空けます。

書類をセットするのに、何も側面を切り抜かなくても
フタを開けて中に書類を入れればいいじゃないかと思いますが、
このボックス、A4サイズといいながら、実は短辺側がA4のそれよりも短いのです。
ですから、フタを開けて底面に書類をセットすると、書類が平らにセット出来ないのです。
ですから、片側の側面を切り取らなければならないのです。

切り抜くといっても、底面の一辺は切らずに、パタパタと開くようにしておけばよいと思います。
僕はフタのカギ状の部分を差し込む側の側面を切りました。

フタ面に空けるレンズ用の穴は、フタのど真ん中に空けます。
書類の短辺側がちょっとはみ出るので、レンズの穴もそれに合わせて
ちょっとずらした方が良いかもしれませんが、ほんのちょっとなので、ど真ん中で良いと思います。
空ける穴の大きさは、僕は横3センチ、縦2センチほどにしました。

後は、一方の側面を切り抜いた関係上、フタが不安定になりますので
フタの上にiPhoneを乗せて操作すると、フタが落ち込んでしまう場合がありますので、
ガムテープなどで補強します。

最後に、iPhoneをフタの上に置いてレンズ穴に合わせ、
iPhoneが真っ直ぐに置かれていることを確認します。それには、定規があれば便利です。
定規の長辺をiPhoneのライトニングケーブルを差す底面に合わせ、
定規の短辺をフタの長編とピッタリ重なり合うようにすれば、iPhoneは真っ直ぐであることになります。

この状態で、突起シールなどをiPhoneの一方の側面側にピッタリ合わせてフタに貼り、
iPhoneの底面にもピッタリ合わせて、突起シールなどをフタに貼ります。
これで、次からはこの突起シールのガイドに合わせてiPhoneをセットすればOKです。

僕はiPhoneをフタの上に置いて、後はRiVOで操作しました。
そうすると、直接iPhoneには触れないので、より手ブレを防げます。

箱が出来た所で、僕が試したアプリは次の3つです。

e.Typist Mobile/900円
https://itunes.apple.com/jp/app/e.typist-mobile/id469017106?mt=8

TextGrabber + Translator/600円
https://itunes.apple.com/jp/app/textgrabber-+-translator-anatanotekisutowo/id438475005?mt=8

iよむべえ/3000円
https://itunes.apple.com/jp/app/iyomubee/id774360278?mt=8

3つともフラッシュはONにし、同じ書類を認識させました。
手元にこれといった書類がなかったので、あるアーティストのライブ日程が書かれた書類を使いました。
表が多用されているためか、完全ではありませんが、
およそ内容が把握出来る程度にはどれも認識しました。

アプリの使い勝手ですが、僕はe.Typistが一番使いやすかったです。
特に視覚障害者に配慮してくれている訳ではありませんが、
操作には戸惑う事はないと思います。
もちろん、ボイスオーバーで操作出来ます。
認識したテキスト文は編集も可能で、メールに添付して送るなどの機能もあります。

次がTextGrabberでしょうか。英語ですが、e.Typist同様のことが出来ます。

iよむべえは、上の2つとはちょっと異なっています。
これは音声読書器のようなものですので、認識結果を編集できません。
ただ認識した結果を、即座にボイスオーバーの声で読み上げるというものです。
また値段もとびきり高く、他の2つのアプリと比べて、
値段相応の差があるかと言えば無いと思います。
ただ、編集など芙蓉で、書いてあることだけ分かればいいという用途
であればこれでもいいとは思いますが、それに3000円はちょっとどうかと思います。

肝心の認識率は、3つともそんなに変わらないのではないかと思いました。

箱を実際に作ってみて、これならば書類とiPhoneとの距離をあれこれ
試行錯誤する必要もなく、箱に紙をセットしてiPhoneを置き、
アプリを使って写真を撮るだけですので、非常に簡単です。

RiVOで操作すればより安定するとは思いますが、
TextGrabber +だけは、RiVOでアプリのシャッターボタンは押せませんでした。
というより、「撮影に失敗した」といったエラーメッセージが出て、撮影出来ませんでしたので、
画面を直接タップすることになります。

長々と書きましたが、より安定した認識結果を得るためには、
こういったボックスが有効だと思います。
他にもみなさん独自に工夫された装置(?)があるかと思いますが、
興味のある方はお試し下さい。

なお、氏間さんの研究室の女性が作られたボックスには、その女性が名前を付けておられましたが、
僕もこの箱を「chobo BOX(ちょぼぼっくす)」と名付けました(笑)。

氏間さんのホームページ、大変参考になりました。ありがとうございました。



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