品川です。 先日iOS ボイスオーバー・ジェスチャーの解説ページをお知らせしましたが、その中のメールやサファリの本文をすべてコピーする方法について、別の方法が確認できましたので紹介してみます。 といっても、すでにこの方法を使っている人は多いのかもしれませんね。 その場合は読み飛ばしてくださいませ。 iOS 6.12のiPhone 5と、iOS 5.11のiPod touchで確認しました。 私がホームページで紹介した方法は、 ■18-9 メールやサファリで表示されている内容すべてをコピーする「ピンチアウト」 http://info.iccb.jp/voiceover/c18.htm#c18-9 これは本文をピンチアウトの操作で選択し、ローター項目の編集に合わせてから「すべてを選択」、つづいて「コピー」を実行するという手順です。 今回紹介する方法はメールやサファリの本文内で、1本指のダブルタップ&ホールドのジェスチャーを使います。 1. まずコピーしたいメール本分かウェブページを表示させます。 2. 本文内の適当な場所で、1本指のダブルタップ&ホールドのジェスチャーを行います。 1本の指で画面をトン・トンと素早く2回たたきますが、2回目のタップでは指を離さず画面につけた状態にします。 1秒から2秒待ってから、指を画面から離します。 その間に「選択中の」という読み上げがあるかもしれません。 また、指を離した時に「ポコン」という効果音が聞こえるかもしれません。 3. ジェスチャーを行った場所のやや1センチ上辺りに、メニュー項目のボタンが表示されます。 「コピー」、「全選択」、「辞書」、「他の項目を表示」などです。 表示されるメニュー項目はアプリによって異なるようです。 また、サファリではジェスチャーを行う場所によっても、メニュー項目に違いがみられました。 4. すべての本文を選択するには「全選択」を実行し、つづけて「コピー」を実行します。 これでクリップボードにコピーされたことになります。 さて、この操作をする上でヒントになることと、気をつけることを列挙してみます。 A. 上記では「本文内の適当な場所で、1本指のダブルタップ&ホールドのジェスチャーを行います」と書きました。 しかし、リンク、電話番号、イメージの場所でこのジェスチャーを実行すると、それぞれの要素のために設定されたメニュー項目が開くこととなります。 「全選択」と「コピー」のメニューは表示されません。 B. メニュー項目のボタンが表示されるのは、ジェスチャーを行った場所の約1センチ上です。 もし画面の上端近くでジェスチャーを行った場合は、その下に表示されるようです。 (i-assistさんに調べていただきました) C. メニュー項目のボタンを探すのが難しく感じられるかもしれません。 iPhoneやiPod touchでは画面左下から左フリックをすることで、表示されているメニュー項目のボタンに移動できます。 たとえばメールの画面では、左下の「メッセージをマーク」にタッチしてから左フリックをします。 サファリの画面では、左下の「戻る」にタッチしてから左フリックです。 テキストのエディットフィールド内では、キーボードの左上端、たとえば日本語ローマ字キーボードでは「q」にタッチしてから左フリックです。ただし、タッチ入力モードでは うまくいかないかもしれません。 また、iPadではレイアウトが異なるので、この方法は使えないかもしれません。 D. 「全選択」のメニュー項目ボタンはメール本文中では必ず表示されました。 しかし、サファリや他のアプリでは常に表示されるわけではありませんでした。また、同じページ内で実行しても表示されるメニュー項目に違いがみられました。 この規則についてはよくわかりません。 E. 1本指のダブルタップ&ホールドのジェスチャーの後、指を画面から離さずにドラッグしていくと選択範囲を調整できます。 これにより特定の文字列をコピーできそうなのですが、うまくいきませんでした。 特定の文字列をコピーする場合は、ピンチアウトとローターの編集項目の組み合わせで操作する方法が確実だと思われます。 私はこれまでメールの本文をすべて選択する時にはローター操作が必須だと思っていました。そして、手首が疲れるなとも感じていました(笑) 1本指のダブルタップ&ホールドでクリップボードへのコピーが簡単にできると、たとえばVoice Dreamにペーストしてキョウコさんとは別の音声で読み上げさせるのに重宝しそうです。 ちなみにiPhoneのユーザガイドでこのジェスチャーをどう説明しているかというと、「」 VoiceOver のジェスチャについて http://help.apple.com/iphone/6/ja.lproj/iph3e2e2281.html > ダブルタップして押したまま(1 秒間)にし、標準のジェスチャ:標準の > ジェスチャを使用します。ダブルタップして押したままにするジェスチャ > は、次のジェスチャを標準のジェスチャと解釈するように iPhone に指示 > します。たとえば、ダブルタップして押したままにして、指を離さずにド > ラッグしてスイッチをスライドします。 ということです。 このジェスチャーは、写真ヲコピーする時にも使えますし、音楽を再生している時の早送りにも使えます。 また、文字入力のキーボード上では、「削除」ボタンの連続実行でも利用できます。 ホールドした後にドラッグする操作ではキーボードの切り替えや、他の変換候補文字の表示などにも利用できます。 どんな場面で利用できるのか、私自身はまだよくわかっていないのですが、アプリの操作が思うようにいかない時に試してみるとよいのではないかと感じました。